見出しは釣るためのもの?要約したもの?
新聞やネットニュースを見ていて記事を入念にチェックする時って、見出しをで判断することが多いと思います。
見出しを読んで気になったりそそられたりすれば本文を読むし、たいして興味がわかない見出しならば本文は読まずにスルーします。
また時間があまりないときには見出し全体にざっと目を通し、どのようなことが起こったのか“要点”“まとめ”として頭の中に入れてきます。
そういった意味では見出しって
- 興味をそそるような書き方で読者を吊り上げる目的
- 記事の内容を要約・まとめとして活用する目的
が本来はあると思うのです。
ところが最近の見出しって「読者を吊り上げる目的」以外には考えられていないのでは、と思うようなものが増殖しています。
以下に11/3の同一事件を扱った見出しを列挙します。
- 鼻まで覆っていないマスク注意された男、催涙スプレーかけ逃走
- 催涙スプレー噴射か マスク着用めぐり注意の男性が軽傷
- マスク巡り口論、催涙スプレーか
1人軽症、東京メトロ九段下駅 - マスクしていないと注意したらスプレーかけられ 男逃走
- 「マスクは鼻まで覆え」で口論、催涙スプレーを顔に噴射 東京メトロ九段下駅
- 「ちゃんとマスクをしてくれ」と注意で口論に、男が催涙スプレー吹きかけ逃走
最初に某全国紙のネット版で「鼻まで覆っていないマスク注意された男、催涙スプレーかけ逃走」という見出しが目に入ったのですが、見出しだけを見たときの感想はと言うと
「注意されて逆ギレして催涙スプレーを噴射して逃げた危ないやつ!」
他の見出しを見てもやはり同じような印象しか持てませんでした。
ところが・・・
押し倒されたから催涙スプレーを噴射した?
最初に見出しだけを読んだ某全国紙は記事までは目を通しませんでしたが、他のネットニュースの記事を読んでみると印象がガラッと変わってしまったのです。
だって
“注意した男性がマスクから鼻を出していた男性を押し倒し、倒された男性は持っていた催涙スプレーのようなものを噴射した”
あれ?
2人で九段下駅のホーム上で口論となり、注意した人が相手を押し倒したわけです。
ここまでで双方ともに手を出していないとすれば、先に手を出したのは注意したほうなわけです。
でも見出しだけを読んでいると
“催涙スプレーを注意した人に噴射して逃げた”
としか書いていないんですよ。
これちょっとフェアじゃないでしょ?
たしかに見出しですから字数の制限もあって、完全にまとめきれないのは仕方ないかもしれませんが、どうにも釈然としないんですよね。
ひょっとしたら身を守ろうとして催涙スプレーを噴射したかも
地下鉄の車内で見ず知らずの人にいきなり
「マスクをするときは鼻まで覆え!」
何ていきなり言われたら恐怖を感じるかもしれないし、うるさい奴やな!とそれだけキレかけるかもしれないですよ。
そして2人で降りてホーム上で口論となった挙句に押し倒されたとすれば、暴力を振るわれるかもしれないと恐怖を感じ、身を守るために催涙スプレーを噴射して相手がひるんだすきに逃げた。
ということもあるわけですよ。
これ女性がマスクを鼻まで覆わずにつけていたとして、見ず知らずの40代の男性に注意されたらマジで怖いですよ。
そしてホーム上で口論となって押し倒されたあとに、催涙スプレーを噴射したとなれば見出しはまったく違うものになったのでは?
「マスクのことを注意されて押し倒された女性 催涙スプレーを噴射」
これだと全く違った印象を受けますよね。
新聞に限らずテレビやネットニュースなどすべてのマスメディアがかなり恣意的に報道することが多くなっており、特に政治に関することではこの傾向が顕著になっています。
実際に起こったことを正確に伝えるのではなく、今では多くのマスメディアが
自分たちの主義主張に沿うように報道することで、国民を偏った方向へと導こうとしている
受信料という名のNHK税を強制的に巻き上げているNHKまでもが、正確な情報を発信しようとしないのですからどうしようもありません。
なので今回の報道の正しい見出しは
「マスクのことを注意された男性 押し倒されたために催涙スプレーを噴射」
この方が正確だと思うのですが。