経済
2020年11月24日、来日した中国王毅外相と茂木外相との会談。
ネットニュースをはじめ新聞各社の見出しの多くは
「日中間のビジネスで往来は今月中(11月中)に再開、短期滞在の場合は2週間の隔離免除」
という経済面を重視しているかの内容。
たしかに日本は中国との経済面での結びつきは強く、お互いが良い商売相手であると思っているビジネス関係者は多いでしょうね。
また中国はアメリカとの軋轢から日本への比重を高めようとしている面が強く、今の時期に日本へやってきたのだろうと思います。
それに日本の経済界は中国をやたらと重要視し、過去に中国側から一方的にさまざまなトラブルを起こされたにもかかわらず、それでも中国に擦り寄ろうとする思惑が根底にあるから、もう1週間しかない11月中にもビジネスでの往来を再開する方向に持って行くのでしょうね。
もちろん経済は大事です。
経済が立ちいかなくなれば失業から自殺者が増加し、コロナ禍とは桁が違う犠牲者が出ることは明白です。
経済界のお偉い方々の多くは、昔の中国に対するイメージがいまだに払しょくできていないのでしょうか。
日本よりはるかに安い賃金で多くの労働力を得ることができる。
今の中国でも日本より払うかに安い賃金で労働力を得られる地域はあるようですが、それは農村部だったり漢民族が一方的に侵攻して奪い取った他の民族が住む地域ではないのかと。
消費に関してもたしかに中国は人口が多いから、いまの日本より物はたくさん売れるでしょう。
日本の総人口をはるかに上回る中国人が一定以上の水準の暮らしをしているといいますから、商売相手としては美味しいのでしょうね。
でも日本国内から工場など働く場所を海外へと移していったことで、日本人の購買力を低下させたのも紛れもなく経済界です。
デフレに陥らせて這い上がってこれない状態にしたのも経済界です。
中国へ擦り寄ること以上に、国内の景気循環についてもっと考えるべき時期に来ていると思うのですが。
領土・領海
政治家って経済を守ることも大事ですが、領土を守ることはそれ以上に大事ではないのかな。
極端な言い方をすると
領土が無くなれば住むところが無くなるわけで、そうなると経済なんて言っていられなくなるわけなんですが。
もちろん日本の国土全てが今すぐに奪われてしまうことはないにしても、少しずつ侵略されていく可能性はそう低くはないと思う。
小さな島だとしても、その島があるから領海もその分広くなるわけです。
領海内の魚介類だけの話ではなく、さまざまな海底資源まで奪われることに繋がるのですよ。
尖閣諸島は日本固有の領土であるにもかかわらず、中国の公船(中国海警局・中国人民武装警察部隊に組み入れられている)が好き勝手に領海へ侵入してくる。
沖縄の漁船が漁をしていると中国の公船が追尾してくるなど、明らかに日本国民の命の保証ができない状態になっている。
「尖閣諸島周辺海域に関する日本の立場を説明し、中国側の前向きな行動を強く求めた」
と共同記者発表で茂木外相は発言したそうですが、王毅外相も東シナ海の緊張は日本漁船に責任があるとした上で
「敏感な水域で事態を複雑化させる行動を回避すべきだ」
さらに外務省内には
「会談は良い雰囲気だった」(担当者)
とする楽観ムードも漂う。
日中外相、尖閣めぐり応酬 改善の兆しなし産経新聞より
現状の問題点を棚上げしたり先送りした状態で経済だけを先行するやり方は、中国側の思うつぼ。
日本はお金さえちらつかせれば、領土だって簡単に奪うことができるというメッセージを中国だけではなく、他の国々にも示しているとしか思えないのですが。
人権問題
新疆ウイグル自治区、チベット自治区の人権問題に続いて、香港の人権問題も勃発させた中国。
日本から強い抗議が出てこないのはなぜなのでしょうか。
アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの通称ファイブアイズは、香港立法会(議会)の民主派議員4人の資格が剥奪されたことに対して抗議声明を発しました。
これに対して中国は
「中国の主権と安全、発展の利益を損なうなら、目を突かれて失明しないように気を付けよ」
と言い放ちました。
日本はこの発言に対しても強い抗議声明は出していないですよね。
日頃は人権派と自認しているハズのマスコミ・弁護士・野党議員などは寝ているのですか??
国会決議として声明を出してもいいはずですが、政府も及び腰なんですか?
いつまでも“よい子”でいる日本
せっかく「自由で開かれたインド太平洋」構想で日本はアメリカ・オーストラリア・インドとともに中国に対して強いメッセージを送ったのに、これではやはり中国に対して
とにかく日本は金を見せればしっぽを振る、そんな程度の国
という印象を与えることにならないのかな。
グローバル社会とは言いつつも、結局は各国がしのぎを削ってトップに立つことしか考えていないのに、日本だけがいつまで“よい子”のままでいるのだろうか。
政治家をはじめ外務省や経済界によって、日本の潜在能力を引き出すどころか地下深くに埋没させようとしているとしか思えないのですが。
いつまでも“よい子”でいて、気が付いたら尖閣や竹島に北方領土だけではなく、沖縄や北海道まで盗られていた・・・
なんてことになりそうな気がして怖いのです。
世界に対して“よい子”でいるのも結構ですが
そろそろ日本国内に対して“よい子”な面を見せてくれませんか。