女子空手五輪代表が強化委員長からパワハラ

竹刀で顔面突かれ目を負傷した女子空手五輪代表

なぜスポーツ界では指導者によるパワハラ・暴力・暴言が繰り返されるのか。

 

空手の東京五輪組手女子61キロ超級代表の植草歩選手が、全日本空手道連盟の香川政夫選手強化委員長から練習中に竹刀で顔面を突かれるなどし目の打撲などのけがを負うパワーハラスメントを受けたと、全日本空手道連盟の通報・相談窓口に訴えた。

また警視庁にもこの行為を相談したという。

 

植草歩選手以外にも五輪代表や強化指定を受ける複数の選手が目などを負傷したといい、これが事実ならばパワハラといった次元の問題ではなく傷害行為として糾弾されるべき事案だと考えます。

 

植草歩は竹刀で顔面突かれ目を負傷 警視庁にも相談 - 空手 - 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ
空手の東京五輪組手女子61キロ超級代表の植草歩選手(28)=JAL=が、全日本空手道連盟(全空連)の香川政夫選手強化委員長から練習中に竹刀で顔面を突かれるなど… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)

 

五輪代表選手へのパワハラ行為のためにマスコミに大きく取り上げられたのですが、月謝を支払って習いに行く教室だったり学校の部活動など、さまざまなスポーツのさまざまな場面において指導者からの暴言や暴力は今でも散見される状態です。

 

 

指導する立場ってそんなに偉いのか

指導者による暴言や圧力によって高校生が命を絶った事件がありました。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210326-OYT1T50133/

2011年に高校に入学して野球部に入部。

選手だった頃には「おまえなんか制服に着替えて帰れ」などと怒鳴られたことがあった。

2012年6月に野球部を退部したが、翌7月にはマネジャーとして復帰したものの

「1回(野球部を)辞めたんじゃから覚悟はできとるんじゃろうな」

自殺直前にもグラウンドに残されて叱責を受けていたという。

 

問題の学校は岡山県立岡山操山高等学校です。

かなりの進学校のようで、同校HPには大学への進学状況が掲載されており、それによると毎年現役で東京大学への入学者を輩出している学校なのですが、野球部が特に強いということでもなさそうです。

 

野球に限らずどのようなスポーツでも、指導者がつい熱くなりすぎてきつい言葉を発することはあるでしょう。

少しでも上達するようにとの信念もあるでしょう。

だからといって暴言や暴力など圧力を掛けることが許されるわけがありません。

 

そもそもスポーツの指導者ってそんなに偉いのですか?

自分は偉いのだと勝手に思い違いを起こしているだけではないですか?

 

どのようなスポーツでも指導者と選手の関係って教える側と教わる側かもしれませんが、その関係は上下など身分を示すものではりません。

選手は指導者に対して一目置くでしょうし、多くの場合年齢も下です。

また挨拶など礼儀に関しては厳しく指導することもあって、選手は指導者に対して頭を下げるのが日常の行為となります。

それによって指導者が勘違いを起こしてしまい

 

自分は偉い

選手は自分より下

だから選手には何を言っても何をしてもいい

選手は奴隷に近い存在なのだ

 

どうにもこのような指導者が数多く存在しているとしか思えないのです。

 

 

指導者たちは指導法の勉強をすべき

野球をやってきたから野球の指導者に、空手をやってきたから空手の指導者に。

学校の部活動によっては、全く経験したことがない競技の顧問をさせられることもありますが、一般的にはその競技の経験者が指導者に就きます。

高校や大学で全国大会を常に意識している部活となれば、現役時代に自身も全国大会に出場した人が監督や顧問など指導者として招き入れられます。

 

その競技を経験した人だから、その人は指導者としても優れていると思いますか?

 

中には数々の挫折を乗り越えて栄冠を掴み取った現役時代を過ごした人もいるでしょう。

逆にその競技のエリートとして現役時代を過ごし、引退後はそのまま指導者の道を歩んでいる方も大勢います。

中には少しは経験があるものの大したことはなく、なのに指導者になったことでまるで天皇にでもなった気分に浸るタイプ。

 

前段の場合は選手に対して「根性論」ばかりを課すタイプが多い。

中段の場合は指示通りにできない選手に対して、人格をも否定するような言葉を投げかけるタイプが多い。

後段の場合が岡山県立岡山操山高等学校野球部の元顧問に代表されるタイプでしょう。

 

それぞれに何が欠けているかというと、相手を思いやる心です。

 

2021年3月24日に亡くなった柔道の古賀稔彦さんは体罰や暴力的指導を完全否定していた方だったそうで

  • 指導者が目標を頭ごなしに押し付けない
  • 選手が負けたのは指導者の責任、敗因を一緒に考える
  • 叱るにしても選手の逃げ道がなくなるようなやり方ではダメ
  • 体罰は指導の放棄

を掲げて実践していた指導者だったそうです。

また心理学ではありませんが、40歳で弘前大学大学院に進んで医学博士の学位を取得し、スポーツ選手の五月病をテーマに研究し、練習意欲低下の原因を科学的に分析して指導に反映させたそうです。

「体罰は指導の放棄」53歳急逝の古賀稔彦さんが貫いた柔道界異質の哲学より

 

全日本空手道連盟の強化委員長にも、岡山県立岡山操山高等学校の元野球部顧問にも、古賀稔彦さんのような努力も考えもありませんよね。

多くの指導者たちは根性論の押し付けとテクニックの偏重、それに自分(指導者)への忠臣を求めるだけ。

そこには

「叱るにしても選手の逃げ道がなくなるようなやり方ではダメ」

という相手を思いやる心が欠落したまま指導を行っている現状が見えてくるのではないでしょうか。

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