日本では希望者へのコロナワクチン接種が完了する予定の11月をめどに、接種証明書や陰性証明書を活用することで、緊急事態宣言発令下においても飲食店での酒類提供や県をまたぐような移動を容認し、さらに大規模イベントでの人数制限緩和も行う方針を打ち出しました。
少しずつ経済を回すほうに舵を切ることを宣言したわけで、ゼロコロナではなくウイズコロナを選択したとも言えます。
ただ実態としては緊急事態宣言の有無にかかわらず、外に出る人はかまわず外出するし、自粛をする人は巣ごもりしている、そんな感じに二極化しています。
またコロナワクチンを接種すれば感染しないということはなく、2回接種後に感染するブレイクスルー感染も多くなっていて、3回目の接種の実施に向けて動いています。
今後の日本を占う上で参考になるのがシンガポールの現状です。
シンガポールは国民のコロナワクチン2回接種は80%と世界の中でも有数のワクチン接種国です。
またロックダウンなどアジアの国の中では厳しい行動制限を取り続けたわけですが、接種率の向上とともに制限を緩和。
今では街中の飲食店もほぼ通常通りに営業しているようです。
ところが8月末から感染が急増しており、変異株の感染力の高さやブレイクスルー感染などの影響でしょう。
しかしシンガポールでは外食の再禁止など強い規制は基本的には行わないとしています。
ワクチン接種が進んだことで、感染しても重症になりにくくなったこと。
集中治療室の使用件数も10件未満と安定していることが挙げられています。
ワクチン接種完了者の重症化率は1%未満に対して、ワクチン未接種者の重症化率は6%だからだそうです。
ただしワクチンが感染を防ぐ割合は40%。
外出制限など厳しい制限を課したところで防ぐことはできないし、重症化や死亡しなければ仕方がないということでしょうか。
国民が納得できれば問題ないわけで、シンガポールの思い切ったウイズコロナ戦略の行く末に注目です。
※それでも職場での集会は禁止されるなど、感染拡大による制限は徐々に増加していく可能性があります。
ちなみに感染が再拡大しているシンガポールでは、現在は1日当たり400人前後、1か月後には2000人程度の感染が予測されています。
シンガポールの人口は570万人ですから、日本の人口1億2000万人に当てはめてみると現在は1日当たり8400人相当で1か月後は42000人相当。
日本で行動制限の緩和がきっかけで1日に42000人もの新規感染者が出たとき、マスコミや野党はどのような態度をとるのか。
シンガポールみたいに感染者増加は仕方がなく、ワクチンを打っているのだから重症化はしない!って与党が訴えても聞く耳を持たない気がするけど。
マスコミや野党が足を引っ張っても気にせずに行動制限緩和を続けることができるのか、はたまた屈してしまって再行動制限へと舵を切ってしまうのか。
屈してしまう気がするけど・・・