2020年9月6日、福島県の猪苗代湖でライフジャケットを装着して湖面に浮いていた男女4人が、航行中のプレジャーボートに接触されて8歳の子供が死亡し、その母親は両足を切断するなど2人が重傷を負った事故がありました。
プレジャーボートを操縦していた人はそのまま逃げでいましたが、1年が経過した9月14日にようやく逮捕にこぎつけました。
容疑は業務上過失致死傷罪。
逮捕された人は東京都在住で会社役員(社長?)の44歳の男性。
身に覚えはないと否認しているそうです。
プレジャーボートが人や物と接触しても操縦している人や同乗者が一切気が付かないものなのかは分かりませんが、4人もの人間が浮かんでいるのに気が付かずに回避もしなかったとすると、そこは確かに問題があります。
そういった意味では確かに過失なんですよね、それもかなりひどい過失。
でも業務上過失致死傷罪って5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。
ついでに書くと、先日地裁で判決が下った池袋暴走事故の飯塚幸三被告が問われた自動車運転過失致死傷罪は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金。
※飯塚被告は禁錮5年の判決
それに比べて窃盗罪は10年以下の懲役または50万円以下の罰金。
罰金の金額は低いものの、懲役刑は窃盗罪のほうが重いというアンバランスな状態です。
過失による致死傷罪を厳罰化するのはさすがに違うとは思いますが、その程度によっては窃盗罪よりも重い刑を科すことも仕方がないと思うのです。
せめて上限は懲役15年くらいは必要じゃないかな。
それに今回はプレジャーボートだから業務上過失致死傷罪となるけど、これが自動車ならば自動車運転過失致死傷罪となって法定刑の上限が異なってくるんです。
乗り物の種類が違うだけで法定刑の上限が異なるというのはさすがに違和感を感じます。
何でもかんでも重い刑にすればよいとは思いません。
自動車やボートの運転だとしても、仕方がないと思える過失事故もあるでしょうから。
ただ池袋の暴走事故の法定刑の上限が懲役7年で禁錮5年の判決、今回の猪苗代湖の事故の法定刑が上限5年というのはさすがにおかしいと思います。
刑法全体のバランスを見直す必要性があるのではないのかな。