2016年7月14日、東京都立墨田工業高等学校のラグビー部の顧問で保険体育科の教員は体育の授業で水泳指導を行っていた。
この教員はデッキブラシの柄をプールに差し出して、ブラシの上を超えて飛び込むように指導。
この指導に従ってプールに飛び込んだ生徒は、プールの底に頭を打ち付ける形となって首を骨折。
両手足にマヒが残る状態の重傷を負った。
デッキブラシの柄を飛び越えて入水することで、入水角度が通常より鈍角となったこと。
またプールの水深が1.1mとかなり浅かったこともあり、プールの底に頭を打ち付けた。
この判決が2021年11月22日に東京地裁であり、検察側の求刑どおり罰金100万円を言い渡した。
この事件は当初略式起訴されたが、書面審理で終わらせる内容ではないと東京簡易裁判所が正式な裁判を開くことを決定した、いわばいわく付きの裁判でした。
業務上過失傷害に問われ、罰金刑としては上限となる罰金100万の判決が出たものの、教師として生徒を指導する立場として考えた場合、もう少し重い求刑と判決が下って当然という印象を受けました。
業務上過失傷害は5年以下の懲役または禁錮も選択できますし、教師としての責任を考えたときには執行猶予付きの懲役刑でも良かったのではないかなと思います。
保健体育科の教師が全員水泳について理解しているわけではなく、今回の事故の教師は学生時代からラグビー選手として活躍していた方。
たまたま体育を担当している教師が水泳に詳しい人ならばいいけど、ほとんど授業では素人同然のような人が水泳を指導している現実があります。
私の息子の話によると、高校の水泳の授業で教師がプールに大きめの浮き輪を浮かばせて
「浮き輪の輪を通過するように飛び込め」
と指示を出したのですが、この教師がお手本を見せると言って浮き輪めがけて飛び込んだところ、プールの底に顔面を強打して鼻を骨折したということがあったようです。
水泳に詳しくない体育教師に水泳の授業を受け持たせるからこういう事態が起こるのです。
水泳だけではなく柔道の授業でも同じようなことが言われていて、受け身をまだ習得できていないのに投げ技を掛けられて大けがを負う事故も現実にあります。
共通して言えるのは専門外の人が、自分の思い付きで生徒にやらせてしまうことで事故につながっているという事。
それも少し考えれば危険性は十分認識できるはずなのに、大人とは思えない思考によって生徒に負担をかけているという現実。
それと、体育科の教師にどのようなスポーツでも担当させている、今の教育行政の無知も大問題だと思います。
体育の授業に関しては、教師ではなく各スポーツに精通した専門家やらインストラクターにお任せするべきじゃないのかな。
そう考えると事故を誘発した今回の教師とともに、教育委員会や自治体にも一定の責任があると思えます。
しかし罰金100万円は軽すぎる気がすけどなぁ。